院長ブログ

報道特別番組 作業員が語る福島第一原発

投稿日:2012.06.22

(毎日放送ラジオ) 24年4月9日 -第2部

 
一年経って現場の作業はどうなっているのだろうか。

「線量が高い、作業できる時間が20~30分と短い、進まないです。」

変わらない過酷な現場作業、一年前と同じように作業員は高い放射線量におびえながら作業をしている。

事故から9ヶ月すぎた12月16日、野田総理は福島第一原発の終息宣言をした。作業員はこの発言をどう感じたのだろうか。

「来てから見とるけど何ら変わりはない。何も変わってない現場は。いや、何を言ってるんやろうと思って。何をもって終息なのかって。」

野田総理の終息宣言、働いている作業員が見る状況とはあまりにも違っていた。

原子力発電所についてどう思うのか聞いてみた。

「お給料を稼ぐ場」「なきゃないで今年の夏も冬もこえられちゃうでしょ。な かったらこれから何もできないだろうなって、日本は原子力国だからね、なく なったらどうなるんだろうなぁ…仕事の雇用も減るだろうね」

考えながら悩みながら答えた。何とか原発の存在理由を見つけるように。
そんな苦渋の表情が見られた。 別の作業員は

「これだけリスクのある原子力を、これだけリスクのあるものなん だと初めて知りました。だから、それでもなおかつ、まだ動かそうという動きが あるというのは信じられないですよ。これだけのリスクを負って、これだけの目 にあって、国も当然ダメージを受けるでしょうし、人々もこれだけダメージを受けたのに、まだやろうとするのっていう思いが強いですね」

福島第一原発の中に入って初めて感じた原発のおそろしさ。
作業員の言葉をどのように活かしていくのか。原発に向きあうための重要な証言であることに間違いはない。
作業員の中には関西弁で話す人が目立ちます。
福島県周辺だけではなく、全国から人が集まっているんです。それぞれの地元で仕事がなく、職を求めて原発作業にたどりつく人たち、その背景には貧困問題があります。
原発のリスクを実感していても、なくてはならない生活の糧として受け入れざる を得ない人もいるのです。こうした人達の働きなしには原発事故の終息はありえず、いわば貧困とセットになって原発システムが維持されているといっても過言ではありません。 これまでお聞き頂いたように、作業員から見た福島第一原発の実態と政府・東電の発表には大きな乖離があります。

作業員の言葉

「ガンになりました、白血病になりましたといった時に、国はこの原発で働いていてこういうことになったんですよって認めてくれて、補助とかしてくれるのかなって気になります。何か少しでも補助、支援がもらえたらなとは思ってます。」

「放射能というのは、ずっとつきまとうからね。不安はあるよね、やっぱり、 行っとったから危険やっていうふうな目で見られるのが一番怖いよね。冷たい目で見られるのが怖い。もし他の仕事をしとって原発行ってました。わかりまし た。じゃ、今回はやめましょうか。なんて言われたりとか。 彼女ができて、俺が行っとったと知ってさようならなんて言われるのが一番怖いよ、それを隠した状態で結婚して、その時初めて言うたとかいうことを考えたらね。なんぼ大丈夫やていうても目で見えんもんやから、なんぼ数字で出したとしても不安は残るかというたら残るからね。俺たちは自信を持って行ってきましたと言いたいけどやっぱり、言いたくても言えん。言って何を言われるかが一番心配やね」

福島第一原発で働く人達の肉声、そこから漏れてくる命を削る覚悟、差別をされることへの恐れ、誰もが普通に望む幸せな暮らしへの夢を断たれる人達がいます。 しかし、彼らがいなければ私たちの安全は一日も保たれない。それが原発の今の姿なのです。

 
おまけ
この特別番組の後のたね蒔きジャーナルの放送では、リスナーの人達からのおどろきや怒りのメールが沢山よせられ、大反響でした。
東北地方では周知の事実らしいですが、関西人にとってはびっくりの内容だと思われ、今回のブログにのせることにしました。少しでも作業員達の心情を理解して頂ければ幸いです。

 

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