医療業界に起きる未来の年表
投稿日:2023.08.31
加古川・高砂市のツトウ歯科医院です。ブログを見て頂き、ありがとうございます。
①2030年頃には「患者不足」に陥る
2024年度から開始予定の医師のは働き方改革に合わせて労働時間を週60時間程度に制限するなど業務の見直しをした場合には2029年頃に約36万人で週55時間程度とした場合でも2032年頃に約36万6000人で需給が均衡し、その後は医師が過剰となる。「患者不足」はすべての診療科で起きるわけではなく、今後は診療科ごとの差が大きくなるということです。2036年、内科や皮膚科は「患者不足」に。
②患者数に比べて医師が多すぎる時代となれば「開業医は儲かる」という神話は崩壊
日本の医療機関の大半は保険医療を行っており、診療行為は診療報酬で値段が決まっているため、自由診療に活路を見いだそうという動きがすでに出始めている。例えば美容外科の増加が見られる。
就職氷河期世代が60歳以上となる2040年頃には、老後資産を十分にためきれていない高齢者が増加する見通しだ。政府は公的年金の受給額を減らす一方で医療や介護の保険料や自己負担割合を段階的に増やす構えです。「貧しき高齢者」の増加は受診抑制を広げかねない。これを医療機関側から見ればさらなる患者不足である。公的保険医療の適用は範囲を縮小させざるを得なくなる。どんなに医療技術が進歩したとしてもその恩恵に預かれるのは一部の富裕層にとどまり、多くの国民はそこそこのレベルの医療しか受けられないといった未来である。
③抗菌薬の展開について
医療現場の抗菌薬の適正使用と同じくして、別の波が医薬品に押し寄せていた。国民医療費の上昇問題である。そこで国は医療費の抑制策として後発医療(ジェネリック)を推奨し診療報酬改定の旅に薬価を下げ続けた。抗菌薬原料を独占的に生産する中国では、もはや安く売る必要がなくなり、価格上昇に転じておりその結果、現在の薬価はでは採算が取れなくなるという事態に陥った。そのような中起きたのが緊急中止もしくは出荷調整である。かつて抗菌薬を開発してきた企業の多くが感染症領域から撤退した。新たな薬剤耐性菌が出現しているにもかかわらず今後も新薬はあまり期待できない。(日本歯科医師雑誌Vol76No03引用)
私が神戸大学附属病院(口腔外科)で感染症グループに所属していた昭和54~63年は抗生物質新薬開発の全盛期でしたね。学会発表は盛んでしたしプロパーからもてはやされていたのだが…