院長ブログ

舌の特集

投稿日:2022.06.01
加古川・高砂市のツトウ歯科医院です。ブログを見て頂き、ありがとうございます。

久しぶりに今回のブログはアカデミックにしました。
私は、神戸大学付属病院に約10年間勤務し、顎や舌の癌、細菌感染、顎関節症など様々な患者様の治療に関わってきました。特に、感染症グループのトップとして、人間や実験動物での抗生物質の動態などに力を注ぎましたね。今、話題のコロナに関してもウイルス感染ではありますが、私なりの思いはあります…

開業して34年目になります。私が年を取ったせいもありますが、高齢者の口腔機能低下症に関心がでてきました。むせ、誤嚥性肺炎の患者を少しでも減らさればいいなぁ!寝たきり、車椅子生活に関しては、なんとなく想像できるでしょう。しかし、自分が食べれなくなるとは、あまり考えたことはないでしょうね。残っている歯の本数、欠如している部分の入れ歯、低栄養状態などにより差が出てくるのですよ。舌を含めた喉の筋力低下を少しでも遅らせたい!有名な「あいうべ体操」など、いろんな方法がありますが、関心ある人は診療所で声をかけていただければ詳しくお話ししますよ。

そこで舌の特集をしました。(眠くなります)

(A)食べ物を口にした時の脳の働き


①舌の味蕾の味細胞は味を感知するだけでその味が美味しいか不味いかは最終的に脳で判断される。
②味覚神経によって脳に運ばれてきた味の信号は延髄にある「弧束核」という部分を経由して「第一次味覚野」に伝わります。
③ここでは甘味や塩味といった味の種類や濃い薄いなどの味の強さ(味の質)が判別されます。
④さらに「第二次味覚野」に伝わると視覚や嗅覚の情報と統合されて味のイメージが形成されます。
⑤その後、「扁桃体」でその味がうまいかまずいかを判断されます。
⑥「視床下部」では空腹や満腹かを判断します。
⑦「海馬」では食べ物の味を記憶します。

(B)キレ、コク、のどごしの正体

ビールなどを飲んだ時、後味がスッと無くなると「キレ」がいいと思います。逆にいつまでも味蕾に味が残ると「キレ」を感じません。カレーに苦味のあるコーヒーを少量入れると「コク」が出るように、5つの基本味が多く含まれていると「コク」を感じます。味蕾は舌や喉に多く分布しています。この味蕾が刺激されることで「喉越し」を感じられるのだ。

(C)歳を取ると味覚が鈍くなります

味蕾が減少し味の感度が落ちる(濃くないと味を感じづらい)嗅覚の低下で食物の風味を感じづらくなる。
好みが変化し油っぽいものを避けるようになる。⇒濃い味を好みがちになり塩分や糖分の摂取が過剰になりがち

(D)塩分や糖分の過剰摂取に注意

 身体への影響起こる可能性ある病気
塩分取りすぎ血流量が増え動脈硬化が進行して高血圧に。
塩分は尿としては排泄するため腎臓の負担となる。
骨からカルシウムが溶け出し骨粗鬆症になる。
脳卒中・心不全・腎不全・骨折
糖分とりすぎ糖分処理が追いつかず血糖値が上昇。
中性脂肪が作られる。
アミロイドβ(脳のゴミ)の分解が遅れる。
糖尿病・肥満・認知症

(E)味覚障害の起こる原因として考えられるのは

①口腔乾燥(唾液量が減少して、粘膜が荒れやすくなり味物質を運びにくい)
②味蕾細胞の障害
③亜鉛欠乏(味蕾細胞が生まれ変わりにくい)
④心理的ストレス

(F)亜鉛不足に対する食事の知識

男性は11mg、女性は8mg(1日の摂取量)
食品名亜鉛含有量(mg/100g)大人一食分の目安亜鉛含有量(mg)
カキ13.25粒(60g)7.9
豚レバー13.21っ食分(70g)4.8
牛肩ロース5.6一食分(70g)3.9
牛レバー3.8一食分(70g)2.7
うなぎ1.41/2尾1.1
食品酸化防止のフィチン酸、ハムやかまぼこの弾力材に使用されるポリリン酸などの食品添加物は亜鉛の動きを阻害する可能性があります。

(G)堀ちえみさんの舌癌報道で口腔咽頭癌の関心が高まりました。

国立がん研究センターの報告を引用(2019年)
全癌罹患数1017200
大腸155400
124100
122300
乳房92200
前立腺78500


 
子宮26800
口腔・咽頭22500
食道21900

(H)口腔癌の部位別発生頻度(引用資料で異なる)

55~60%
頬粘膜9~11%
口底8~10%
上あご歯肉6~8%
下あご歯肉12~15%

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