院長ブログ

驚異の「腸内フローラ」

投稿日:2015.05.13
おそらく「腸内フローラ」って何かしらと思われている方が多いでしょう。お花畑にさまざまな花が咲いているように、腸内にさまざまな細菌が生息しているイメージなのです。
1960年頃の細菌検査法では、腸内の酸素をきらう嫌気性菌の培養は限られていました。
2008年には腸内細菌業の遺伝子を片っ端から調べ上げる方法(シークエンサー)の解析能力が数千倍以上となり、いまや世界中で国家プロジェクトが始動して研究が進んでいます。
ブラックボックスだった腸内細菌業の全容が見えてきたことで、従来の善玉菌や悪玉菌といった分け方の枠に収まらない働きがあるようです。

グラフ健康成人での腸内細菌の割合

大腸には約100兆個以上の細菌(1000種類以上、1.5kg)がいて、善玉菌・悪玉菌・日話見菌に分類されます。
善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など) 体によい働きをする菌で、善玉菌が増えると悪玉菌が減り、
日話見菌を味方につけて腸内環境が改善されます。
消化吸収を向上
免疫力を高める
ビタミンを合成

悪玉菌(ウェルシュ菌など) 腸内で増えると腸を腐敗させる有害物質が発生して体に悪影響をもたらしますが、決して不要なわけではなく外敵菌から腸を守るよい働きもします。腸内環境はバランスが大切です。
病気の引き金
便秘・肌荒れ
老化

日話見菌(いわゆる大腸菌) 体の中でよい働きも悪い働きもします。善玉菌が優勢になると善玉菌を助け、悪玉菌が優勢のとき悪玉菌に味方します。
善玉菌を増やしてこれを味方につけることが腸内環境の改善にとって重要です。

駆け込みドクター

今年2/22放送のNHKスペシャルがきっかけで、週刊現代(3/14)サンデー毎日(4/26)に腸内フローラの記事が取り上げられていました。

腸内フローラは私たちの体の一部といってもよい重要な存在で、まるで私たちの臓器であるかのように働いています。

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【肥満】 ジェフリー・ゴードン医師(ワシントン大学医師生物学者)

無菌マウスの腸内に、やせている人の腸内細菌を移植しても脂肪の量は変化しなかったが、太った人の腸内細菌を移植したマウスはどんどん脂肪の量が増えていきました。

肥満の人で少なくなっていたバクテロイデス菌は、短鎖脂肪酸をだします。これが脂肪の蓄積を減らし、脂肪の消費を増やします。

【がん】 原 英二(がん研有明病院分子生物学者)

新種の腸内細菌「アリアケ菌」がだすDCAという物質が、細胞老化を引き起こし、がんにつながるのだという。
肥満になるとアリアケ菌が増加しがんを誘発するのか?
腸内フローラからこの菌を取り除くことができればがんを未然に防げるのだろうか?

【老化】 松永 佳代子(藤田保健衛生大学教授 皮ふ科医)

豆腐や納豆などに含まれるイソフラボンを代謝して、エクオールという物質をだす腸内細菌がいます。
このエクオールはシワの改善だけでなく、顔のほてりや骨密度の減少といった更年期障害なども改善すると報告されています。

人間は共に生きる腸内細菌をどうやって選ぶのでしょうか?
もともとお母さんのお腹の中にいる胎児は全く菌がいない状態に保たれています。細菌と初めて出会うのは誕生の瞬間、そのあと、口や鼻から入った菌が腸にたどりつき少しずつ住みついていきます。
入ってきた菌がすべて住みつけるわけではありません。必要な細菌だけ住みつかせるシクミが人間の体にあります。
地球上には約70種類ほどの菌種があるのですが、そのうちの4種類が私たちの腸内に住むことを許されているのです。

日本人に多い細菌遺伝子 服部 正平(東京大学教授、腸内細菌遺伝子解析の第一人者)
ノリやワカメなどの水生植物に含まれる糖質を分析する酵素の遺伝子で、日本人の約80%が持っていて、ヨーロッパ人は2~3%しか持っていない。これは古来からの日本人の食文化と関係していると考えられます。

ノリやワカメは消化されないのでダイエット食品と言われていますが、ヨーロッパ人に当てはまっても日本人には当てはまらないということになりますよね。

私たちのお腹の中の不思議なパートナー、腸内フローラ
人と腸内細菌が何百万年の時をかけ、共に生きるシクミを作り上げてきました。しかし、薬の使用や食生活の変化によってその奇跡のバランスがくずれかけているのではないかともいわれています。私たちは腸内細菌と共に生きることの本当の意味にようやく気づきました。腸内細菌がいま、この瞬間もお腹の中で生きています。

藤田 紘一郎先生によりますと 歳を重ねると私たちの体はどう変化するのでしょうか?
(1)個人差はあるものの50歳を境に男女とも性ホルモンの分泌量はぐっと減ります。
(2)エネルギーを作り出すエンジンは2つありますが、「解糖エンジン」から「ミトコンドリアエンジン」へと比率が変化していきます。

51zHsM74ZcL._SY344_BO1,204,203,200_「解糖エンジン」
炭水化物などの糖を燃料としてエネルギーに変え、瞬発力のある動きをし、粘膜や骨髄などの細胞の材料を作ります。

「ミトコンドリアエンジン」
酸素を燃料としてエネルギーに変え、持続力のある動きをし、脳の神経細胞や心臓などの細胞へエネルギーを供給します。炭水化物の摂り過ぎは、害になります。たんぱく質を体内で利用するには肉を食べるのがベストです。

歳をとったら肉よりも魚や野菜中心の粗食が体にいいとか、コレステロール値が高くなると動脈硬化になるといわれています。

高齢になるに従い肉や卵などの動物性たんぱく質を控えた結果、
70歳以上の5人に1人がたんぱく質エネルギー栄養障害(新型栄養失調症)であるという報告もあるようです。

LDLコレステロールが動脈にたまり「悪玉」となるのは、活性酸素と結びつき過酸化脂質に変性した時です。この過酸化脂質こそが血管を傷つけ、動脈を硬化させる本当の悪玉です。
近年の研究や調査からコレステロール値が高いほうが長生きできるといわれてます。
肉と魚のとり方のバランスの理想は1:1です。但し、肉は野菜と一緒に食べることですよ。

与命

日野原 重明先生(104歳)の食事の内容を聞いてみますと

(1)ヨーグルトや手作りの野菜や穀物を中心に
(2)炭水化物は摂らないようにしていて
(3)ステーキを週2回は食べられている
(4)外食する時は、きれいなレストランでかわいい女の子と一緒に食べる
ことを心がけています。

講演会の内容は後日のブログを楽しみにして下さい。

ヨーグルトについては2014年8月21日工場見学を見て下さい
こちらをクリック!

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