お口の豆知識

歯周病と認知症の関係性

投稿日:2023.10.06
こんにちは。加古川・高砂市の歯医者さん、ツトウ歯科医院です。お口の豆知識を見て頂きありがとうございます。

「歯周病」と「認知症」関係ないように思えますが、歯周病で歯を失うと認知症リスクが高くなると言われています。今回はこの関係性をお話しますね。

認知症とは

何らかの病気によって脳の神経細胞が傷つき破壊されて起こる病気で、認知症で一番多いのがアルツハイマー型認知症です。その他にも、脳血管型認知症やレビー小体型認知症などがあります。認知症患者は年々増加しており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われています。

噛む力と認知症

成人で歯を失う一番の原因は歯周病です。残っている歯の本数が少ないほど脳の容積が小さくなり認知症が発症しやすいと言われています。なぜ、認知症が発症しやすいのでしょうか。それは噛む回数に関係があります。人間のお口の中はとても敏感な感覚を持っています。普段のお食事でも舌触りや歯で噛むことで味覚や触覚といった多くの情報を脳へ伝達しています。ある実験では、65歳以上の方で残存歯が少なく(入れ歯なし)噛みにくいと感じている方は、なんでも噛めるという方と比べて認知症リスクが1.5倍増加することが分かりました。よく噛むことで、顔や頭にかけて多くの咀嚼筋を動かし、血管や神経の動きを活発にします。

歯周病と認知症

歯周病は、国民の7割が罹患しているといわれている感染症です。認知症は、アミロイドβが脳に蓄積されて起こる病気です。歯周病の原因菌であるPg菌が血管内に入り込むことによって、アミロイドβとそれを運ぶ受容体の両方が増え、脳内に蓄積されることによって、記憶障害が起こることが分かってきました。通常、アミロイドβは分解されて排出されるのですが、何らかの理由で排出されずに蓄積されてしまうと、脳の情報伝達が悪くなり、脳の機能が低下してしまうのです。

歯周病は歯が失われるだけではなく、全身に影響を及ぼす感染症です。すでに歯周病になってしまった場合でもしっかり治療をおこなうことで、歯を失うリスクを減らすことができます。早期発見・治療でお口だけではなく、全身の健康を保ちましょう!

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