院長ブログ

年金制度はどうなるのでしょうか

投稿日:2014.09.17
加古川・高砂市のツトウ歯科医院です。ブログを見て頂き、ありがとうございます。

色々な書籍を読んで私なりの解釈ですので誤った部分もあると思います。そういう理解のもとでこのブログを読んで下さいね。一切、責任はとりませんよ!

昔から年金はかけ損だと耳にしています。ある程度の年輩の人は得でしょうが、若者達は損のハズです。おおまかにその分岐点はどの年代になるのでしょうか?

学習院大学教授鈴木亘による試算の厚生年金世代間格差(週刊朝日7/11)をみますと、平均寿命まで生きるとして1961年生まれでプラスマイナスゼロとなります。この世代以降の若い人々は受け取る額よりも支払額の方が多くなるようです。

そのような情報を知っている若者達は、あまり年金をかけたくないですよね。週刊ポスト(8/8)を見て、ア然としました。厚労省は年金の納付率は60%台であると発表したとメディア(日経、朝日、読売)は報じました。ところが週刊ポスト(7/4)で納付率のウソとからくりについて報じますと、日経新聞(7/11)には国民年金の実質的な納付率は約40%(2013年度)だったことがわかったと…。河野太郎代議士が入手した厚労省資料によりますと

20-24歳 21%
25-29  31%
30-34  38%
40-44  43%
50-54  47%

では、ある程度の年輩の方は、いつ頃から受給したらいいか迷いますよね。週刊朝日(5/30)に損益分岐点がグラフで示されていました。
グラフ老齢基礎年金
繰り下げ受給
5/11のNHK討論番組で厚生労働大臣が「年金の受給開始年齢を75歳程度まで広げることを検討していきたい」と発言し、波紋が広がっています。
86歳まで長生きしなければ繰り下げた意味がなく、現在の男性の平均寿命は80歳ですから、元を取る前に…ということも考えられます。
繰り下げ受給している人はわずか1%程度で、逆に60歳に繰り下げ受給している人は厚生年金で15%、国民年金で40%です。

週間文春(6/26)にはさらに詳しく分析されています。

平均的なサラリーマンの65歳の受給額(月額)を100%とした場合、60歳では70%、70歳で142%、75歳で184%となります。
男女とも平均寿命で亡くなったとして、それぞれの受給総額の順位をつけています。結論として、男女とも60歳からもらい始めるのは損で、男性の場合は通常の65歳スタートがよく、女性の場合は繰り下げが得であるとのことです。

ところが、週刊ポスト(7/18)では、労働省「新減額プラン」をもとにしたシミュレーション表で記載しています。厚労省試算では約100年後までのカット率を発表し、デフレ下でのマクロ経済スライドによる「自動調整」の発動を議論しており、近く結論がでるとみられています。国民の年金は減らされ、逆に徴収される保険料は増えていくことになります。

先週発売の週刊ポスト(9/19,26)には全年代「年金受給額」完全早見表が記載されています。

きちんと年金を払っている方の声として

マスコミ雑誌等ではデメリットばかりとりざたされますが、あくまでも健康に生活して年金を受け取る場合の話です。年金は厚生年金保険料(国民)を支払っています。保険とあるように、貯蓄ではありません。
ご自身に障害が残った時は、障害年金。万が一、亡くなられた場合には、奥様お子様等が遺族年金が受け取れます。個々のニーズにもありますがトータル的に考えて、判断しましょう。

子供が一時的に国民年金をかけなかった時、頻繁に催促されました。
電話してみると「義務なので払って下さい。脱税と同じ…」といわれました。若者は損を理解していても義務だから仕方なく支払っているのが現状だと思います。

私としては、
(1) 以前、ラジオで聞いた話ですが、政府は戦後のまだ混乱期に年金制度を作ったとか…
国民から借金する発想は、国債と同じです。その国債はどんどん増加してますよね。

(2) 年金の記載漏れ(消えた年金問題)、かんぽの宿などの投資運営など、国の管理が問題となりましたよね。

(3) 2004年の年金制度改革の時に、与党は100年先まで安心と言い切ってましたよね。

(4) 年金とは違いますが、東北震災の復興金の使い途が問題となりましたよね。

政府に対していかりがこみあげています。
ある程度、納得できるしっかりした制度なら国民は支払うでしょうが、
常に変動する状況なら不安となり、躊躇してもおかしくないと思います。
「義務だから支払って下さい」ではどうでしょう?
老後、年金をあてにしている人々のために若い世代の支払いは
本当に切実な問題なのです。

老人ホーム(福祉)の職員との会話
私の子供には、損を承知で国民年金をかけさせています。
義務だけではないのです。高齢者をうやまうというか、
これまでがんばってくれた先輩に対し、ありがとうの意味を
こめて年金をかけているのだと…。
日本の昔のよき風習を思い出させてくれる内容でした。
これまで子供に対し、損得のことしか言ってこなかった自分が
恥ずかしく思えました。
これで腑に落ち、すっきりした気分になりました。


追伸
国民年金、支払う気持ちはあるが収入が低くて払う余裕がない。
親もそこまで余裕がない。
未納のままにしないで「国民年金保険料免除、納付猶予制度」の手続きをすれば、
その期間、年金の受給資格期間には、算入されます。
もらえる年金額は減りますが、後からその期間の保険料を納付することもできるので、
手続きはしておいた方がいいですよ。
詳しくは年金事務所におたずね下さい。
学生の方は「学生納付特例制度」を利用して下さいね。



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