むし歯の進行について(C2)
投稿日:2020.03.17
こんにちは。加古川・高砂市の歯医者さん、ツトウ歯科医院です。お口の豆知識を見て頂きありがとうございます。
前回に続き、むし歯の進行についてお伝えします。むし歯の分類では5段階あり、今回お話しするのは象牙質まで進行したむし歯(C2)です。
身体の中で一番の硬さを誇るエナメル質を、むし歯菌の副産物である
酸で溶かされていると、やがて穴が開き虫歯になります。歯の表層だけであればなんとか進行させないようにお手入れ次第で食い止められることもあります。
しかし、エナメル質の下の組織である象牙質にむし歯菌が入り込むと、どんどん進行しやすくなります。象牙質はエナメル質より柔らかく、酸に対しても弱いです。
ただ、唾液が出ることで飲食後のお口の中が酸性になって歯が溶けるのを戻しやすくしたり、細菌の働きを抑制したり、表面が溶け出たところを修復する再石灰化など、他にも様々な役割をしてくれます。
そんなスーパーマンのような唾液の作用にも負けないのがむし歯菌です。少し進行したむし歯や、治療済みの詰め物・被せ物の経年劣化による隙間などに住み着きやすいラクトバチルス菌は歯にくっつき、自分たちを守るバリアを作り、やがてベトベトした歯垢に変わっていきます。
糖質を頻繁に取ると歯垢の粘度が上がり、より歯ブラシでは簡単に落としにくく、よりしっかりとした細菌叢(細菌の集団)になり、くっついている限り常に酸で歯が溶かされてしまいます。 むし歯の面積が小さく、浅めの穴であれば、むし歯の部分を削り、直接お口の中で白い樹脂で詰め物をします。むし歯の面積が大きく、歯と歯の間にもできているような場合は歯型を取って詰め物を作り、セメントで着けます。
むし歯が深いと神経との距離が近く治療後にしみるなどの症状が出ることがありますが、浅ければ神経から離れているので症状が少なくて済みます。
ただ、
どの詰め物・被せ物も一生モノではありません。お口の中の環境は人工物にとってたいへん過酷です。治療後に正しいお手入れができれば、人工物の寿命も大きく変わります。噛み合わせることの衝撃で徐々にセメントが壊れ隙間ができたり、食べ物に含まれる酸、磨き残した菌が出す酸で人工物の継ぎ目の部分に隙間ができます。同じ歯が繰り返しむし歯にならないよう、少しでも長持ちさせるためにはやはり、
丁寧な歯磨き、フロスや歯間ブラシの併用、正しいフッ素の定期使用、そして定期健診で守っていきましょう。