お酒

患者さんから「先生は飲まれるのですか」と聞かれ「全く飲めない」と答えると「こんなに美味しい飲み物を飲めないなんて可哀想」と言われたことがあります。
私はすぐに赤くなり、さらに飲み続けるともどしてしまい気分が悪くなってしまう。そこまでして飲みたくない!
飲めば強くなるって本当でしょうか?

健康の講習会でアルコール体質判定コーナーがありました。
「20分でわかる簡単ジェルパッチで体質がわかる」で測定しましたところ、やはり「ぜんぜん飲めない族」でしたね。

「体質」の違いはなぜ?アルコールは体内で分解される過程で「アセトアルデヒド」という猛毒物質になります。
この物質は毛細血管を拡張して皮膚を赤くしたり、動悸・頭痛・吐き気など酒酔いの症状をもたらす元凶。
これを分解する酵素がALDHです。
ALDH1はアセトアルデヒドが大量にたまらないと働き出さないが、ALDH2は片っ端から分解してくれます。

タイプ別

「ぜんぜん飲めない族」日本人の約1割

ALDH2が全く働きません。
飲めばアセトアルデヒドの攻撃をまともに食らいます。
顔は真っ赤、心臓はドキドキ、胃はムカムカ、頭はガンガン、吐いてしまったり、少量で失神する場合も…
遺伝体質ですから訓練しても全く変わりません。

「本当は飲めない族」日本人の3~4割

ALDH2がわずかしか働きません。
赤くなりながら飲んでいる人は、実はアセトアルデヒドの害にさらされているのです。
この体質の人は、無理して飲むと肝臓を壊しやすく食道がんなど上部消化器がんになりやすいのです。
アルコールとアセトアルデヒドのダブルパンチに長年さらされた結果です。
訓練のあげくアルコール依存症になる人もじわじわ増加しています。

「飲み過ぎ注意の危ない族」日本人の5~6割

ALDH2がフルに働きます。
短時間にたくさん飲むと急性アルコール中毒に(死に至ることも)
習慣的に飲んでいると慢性のアルコール関連疾患※が忍び寄ります。
アルコール依存者の9割がこの体質と依存度のリスクも高いとことをお忘れなく。

※肝障害・胃腸障害・糖尿病・高血圧・脳出血・心筋症・慢性膵炎・骨粗鬆症・インポテンツ・咽頭食道がんなど



あなたは縄文人?弥生人?

白人や黒人にはALDH2のタイプの違いが見られません。
ところが黄色人種にのみ、長い歴史のどこかで遺伝子に変異が起こり、ALDH2が働かないタイプが生まれました。
その両方の遺伝子が混じり合った中間タイプも…
筑波大学の原田勝二先生によると、もともと日本に住んでいた人はALDH2が働くタイプで、中国大陸から渡来した人には弥生文化と共にALDH2が働かないタイプの遺伝子を持ち込んだのではないかと…
つまり、飲み過ぎ注意の「危ない族」は縄文人、「飲めない族」は弥生人らしいです。
以上、お酒に強い弱いの差は遺伝子レベルで決まっているのですが、
お酒が強い=肝臓が強いと言うわけではないのですよ。
節度のある飲み方が重要なのです。
お酒に弱かったり、全く飲まなくても肝臓悪くすることがあります。
生活習慣の乱れによって、お酒を飲まなくても肝臓に脂肪がたまった状態、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という、
原因の一つとしてフルーツの食べ過ぎが指摘されています。
フルーツの果糖は、ほぼ肝臓でしか使われない糖分です。
フルーツを食べ過ぎると果糖が肝臓に蓄積し脂肪肝に繋がります。
日中にエネルギーとして消費するため朝食べるのがおすすめです。

悪酔い対策

お酒を飲み始める前に水を飲むことでアルコール濃度をうすめ悪酔いの防止に。
胃に何もない状態でアルコールを摂ると、すぐに小腸に運ばれ急激に吸収されて悪酔いに。お通しなどを食べることがポイント。
アルコール度数が低いものを選ぶ。
飲むペースが早すぎると肝臓での分解が追いつかなくなり悪酔いに繋がる。

おつまみの種類とタイミング

ポテトサラダの豊富な食物繊維とマヨネーズなどの油分はアルコールを胃に長く留め、腸に送られるのをゆっくりにします。
タコのカルパッチョは1品目としてはおしいチョイス
タコに含まれるタウリンは肝機能を高め、枝豆(タンパク質・ビタミンB1)はアルコール分解を手助けするため肝臓に送られるアルコールが増えてくる中盤以降に頼むよとより効果的なのです。
にんにくや唐辛子がふんだんな四川風麻婆豆腐などは量を取りすぎると胃腸にダメージを負ってしまい翌日に胃が痛いとか下痢をしてしまう。

デザートとシメ

糖分を取れるアイスクリームなどは良い。
テレビではダブルチーズリゾットとチャーハンをシメに摂っている場面がありまし。
チーズに含まれるメチオニンは肝機能を高め、お米の炭水化物が肝臓のエネルギー源になるため、シメに適した食物ですが、2品は食べ過ぎでシメは小皿一杯程度がベストです。

問題:二日酔いの朝に効果的なのは?

A:しじみの味噌汁 B:お風呂 C:朝ごはん

アルコールを飲んだ時は夜中から朝にかけてアルコールを分解するために肝臓は働いている。
肝臓自体もエネルギーを必要としますので、まず朝ごはんをしっかり食べてエネルギーをとることが重要。

風呂は実は危険な行為。
アルコールによる利尿作用などで脱水状態、汗で水分を失うと脱水症状の恐れが…
サウナに行って汗を流して、そこでお酒を出しちゃえと聞くことがありますが、アルコールは汗と一緒には出ません。
水を飲まない状態でサウナに行くのは非常に危険。

しじみはお酒と一緒に飲まないと効果がないのです。
飲み会前か飲み会の最中が最適です。

二日酔いの軽減効果のある食べ物は?
玉子焼・枝豆・唐揚げ・ラムネ

ラムネはブドウ糖の塊なので、肝臓がアルコールを分解する時に使うエネルギー源になります。

1日で摂取するアルコールの適量は20gなのです。 1単位

ビール   中瓶1本500ml   アルコール約5%
日本酒   1合180ml     アルコール約5%
ウイスキー ダブル1杯60ml   アルコール約43%
ワイン   グラス2杯200ml   アルコール約12%
チューハイ 1缶350ml      アルコール約7%
焼酎    コップ半杯100ml  アルコール約25%

「健康日本21」によると1日に平均して男性で2単位、女性で1単位以上の飲酒は生活習慣病のリスクを高めます。
肝臓でのアルコールの分解はごくゆっくり。
1単位のアルコールの処理に飲み終わってからおよそ男性は4時間、女性は5時間かかります。
睡眠中はアルコールを分解する肝臓の働きが少し落ちますから早く飲み終えて、眠るまでの時間をつくることが大切です。
3単位飲んだら、半日は抜けませんから翌朝は運転しないように!

チャンポンにして多種類飲むと悪酔いする
自分が酔う目安を知っている(ビール5杯で酔うとわかっている)
ビールは5杯までと決めていた方でも、チャンポンで飲むと酔う目安がわからなくなり、どのくらい飲んだか分からなくなり、複数のお酒が混ざり飲み過ぎて酔ってしまいます。

さて問題です。
アルコール量が同じ場合、割り方によって酔い方は変わってきます。
1番酔いやすいのはどの飲み方でしょうか?

A:水割り B:炭酸割り C:ロック

B:炭酸割りなのです。
炭酸で血管が広がり、血流がよくなり、脳に早く到達し、酔いやすくなります。

参考:特定非営利活動法人ASK・健康カプセル!元気の時間

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